風土を映し、その土地らしさをかたちにする。淺沼組北海道支店新オフィス・エントランスデザインプロジェクト

淺沼組では、「人間にも地球にも良い循環」を生むことを目指したリニューアル事業『ReQuality』の一環として、全国の本支店のエントランスリニューアルを順次進行中です。北海道支店では、移転に伴い、新オフィスのエントランスと打ち合わせ室をデザイン。北海道らしさを追求し、地域性を空間に落とし込むことに取り組みました。

自然素材をふんだんに使い、北海道らしさをちりばめる

エントランス正面には、北海道の地層をイメージした左官仕上げを採用し、130年以上にわたる淺沼組の歴史の積み重なりを表現しています。受付カウンターは、奈良県より吉野杉の無垢材を天板に使用し、未焼成煉瓦を透かし積みにして照明を内照式とすることで、エントランスを明るくやわらかな光が空間に広がる構成としました。 エントランスに入ると、左右に「木の打合せ室 」と「土の打合せ室」が配置され、それぞれが異なる表情で北海道の風土を表現しています。

エントランス受付カウンター
木の打合せ室
土の打合せ室

「木の打合せ室」では、吉野の杉材を使った木のルーバーを設け、赤みと白身のある材で木を表現することで、北海道の森や木々の立ち並ぶ風景を描いています。椅子には北海道産のナラ材を採用。吉野杉の腰壁、因州和紙の壁紙を用いることで、温かみとやわらかさのある空間に仕上げました。
一方の「土の打合せ室」は、落ち着いた色味を基調とし、静けさのある空間に。立体木摺土壁をランダムに配置して山の稜線を、左官仕上げでは遠く連なる山並みをイメージしています。
また、「打合せ中は外から人の顔が見えないようにしたい」という要望に応え、両打合せ室の扉には杉の突板を薄くスライスしたものを目隠しとして使用しました。「木の合せ室」にはスノーダストを、「土の打合せ室」には水面の揺らぎをイメージして、それぞれ異なるデザインの突板を施しています。

杉突板目隠し(スノーダスト)
杉突板目隠し(水面)

設計を担当した、淺沼組技術研究所GOOD CYCLE DESIGNグループ勝俣佳奈のコメント
淺沼組のエントランスリニューアルの第一弾となった広島支店では、技術研究所で開発した自然素材の建材をどのように空間に活かすかに取り組みましたが、続く北海道支店では、この場所にあることの意味を意識し、風土の表現を試みました。
今後はさらに、その土地に根差した産業や工芸、素材とのコラボレーションを進めていきたいと考えています。素材や技術の背景をふまえ、「その土地だからこそ生まれる場」をかたちにしていくことで、人や環境にとって良い循環を生み出し、さらに地域にも応えるオフィス空間のあり方を進化させていきたいと考えています。

施設概要

名称:淺沼組北海道支店
所在地:札幌市中央区大通西6丁目 10 番地 4 エナスクエア大通ビル 3 階
竣工年:2025年5月 設計:淺沼組技術研究所 GOOD CYCLE DESIGN グループ
改修面積:約28㎡
協力会社:左官 施工協力 株式会社 KS AG / 木材 豊永林業株式会社・株式会社大谷木材 / 家具製作 カリモク家具株式会社

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